夢と魔法の建築学#01 二層構造 [夢と魔法の建築学]

 こんにちは。猿島ジャックです。
 今回から始まります「夢と魔法の建築学」!!
 簡単に説明します。

 このシリーズでは、ディズニーのパーク建築設計について独自の視点で語ります。写真や地図やマインクラフトの画像などを織り交ぜ、ひたすら設計について語ります(笑)



 「東京ディズニーランドは左回りから過去、現在、未来になっている!!」

 ……というメジャーな事はあまり語りません。

 それより、「東京ディズニーシーに入り、海が見えてから左へ歩くと徐々に登ってタワーオブテラー見えた辺りで下り坂なのは、高低差を使ってアメリカとイタリア両方の街並みを隠すことで雰囲気やテーマを維持するため」……といった設計に関してマニアックでそんなん知らんわ!ってツッコミ入れられて僕がイヤイヤすごくないですか!?と自信を持って言える事を語ります、ハイ(笑)
 もちろんまだ行ったことが無い方もいらっしゃると思うので設計目当てで行ってきました!という人を増やせたら嬉しいですね。頑張ります。

 ディズニーの建築設計については普段はツイッターの方でたまにツイートしていましたが……、文字数足りないしまとめて書きたい!ということで、予告通り晴れてブログ化となりました。
 不定期更新でシリーズ化します。なお、個人的な見解・意見が含まれますので予めご了承ください。

 自分自身は普段マインクラフトというゲームでテーマパークを作っておりますが、どれだけ設計マニアかといえば、こういうのを描くくらい好きです。

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 記念すべき第一回目。
 うん、何を語ろうか……決めてないまま書き出した(笑)



 "二層構造"についてが良いですかね。

 ……この時点で何人の方が読むのやめるのであろうか(笑)



◆筆者が特に面白い構造だと思うのは、スプラッシュマウンテン!

 いまだによく分からず興味が湧く…という点でこちらをご紹介します。

 東京ディズニーランドにあるスプラッシュマウンテンなんかは"構造を意識する"と面白い構造です。例えば……遊園地にあるジェットコースターの場合、一階が入り口で、並びながら上がって二階が乗り場……というのが多いと思いますが、スプラッシュマウンテンは逆なんです。


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 一階が乗り場・降り場とコース。
 二階がアトラクションのエントランス。

 ファンタジーランドからスプラッシュマウンテンに向かう時、巨木を通過して山を見上げながら坂を登りますよね…。ここで知らぬ内に二階に上がります。そしてスプラッシュマウンテンの滝壺や入り口、この周辺の下にコースがあります。これは滝を急降下した後に「わー濡れたわー」と騒ぎながら通る辺りです。このライドのコースを跨ぐ必要がある為、二階にアトラクションの入り口やメインフロアがあります。

 スプラッシュマウンテンがあるエリア"クリッターカントリー"は大きく二つに分けられ、滝壺やアトラクションの入り口がある手前のエリアと、アトラクション出口やカヌー乗り場がある奥のエリアです。


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 スプラッシュマウンテンを降りた後で外に出ると、左手にある岩のトンネルを抜けながら坂を登ります。ここでも二階に登ります。それとアトラクションに乗り出発すると水流に乗って上にあがり滝壺に出ます。
 この事から、乗り場と降り場は滝壺よりも低い位置にあると判ります。図にした方がわかりやすいかもしれない。


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 我々ゲストが歩くメインフロアが二階にある理由はコースを跨ぐ為ですが、その他、レストランのスペースを確保する目的(真裏には全く敷地が無い)や、スプラッシュマウンテン本体の高さを上げて迫力を演出する目的もあろうかと思います。

 高さや位置が分かりづらい理由として、遊園地のジェットコースターならコースや乗り場が剥き出しですが、ディズニーパークは"テーマパーク"なのでスプラッシュマウンテンのコースは殆どが赤茶けた岩や植栽で隠されています。なので"意識"しないと高さや位置の感覚が分かりづらいわけです。

 ディズニーは遊園地ではなくテーマパークと呼ばれます。小動物が住む山や滝や洞窟といったテーマに基づき装飾されていますが……、その装飾の裏には、スリルライドの構造物を隠す雰囲気づくり・テーマの維持、パークの敷地の確保、コースに支障しないような安全への配慮があるわけです。もしも剥き出しのコースの頭上を跨ぐ歩道であれば、うっかり上から物が落下しライドやゲストに当たり怪我をする……ということも考えられますしね。





◆新アトラクションにも、二層構造が?!

 さて、こういった"二層構造"の設計は、他にもあります。
 ついてきてますか?大丈夫ですか?笑

 東京ディズニーシーにあるパスタのレストラン、「ザンビーニブラザーズリストランテ」。


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 僕はここはほぼ毎回行きます。時間を遊びに費やす為手軽に食べられるパスタが好きなのと、店内の雰囲気も好きなのです。一階の海側がメインの入り口、奥にキッチンやカウンターがあり、二階には客席と屋外のテラス席と裏口があります。
 一方、ザンビーニの横には丘と橋がありまして、アクアダクトブリッジ(水道橋の意味)といいます。船に乗ったミッキーたちが出入りする水路に架けられた橋です。こちらはかなり高さがありますので…、その手前にあるザンビーニをまるで取り囲むように登り坂があります。右はイタリアの住宅街のような緩やかな坂(車イス利用ゲストに配慮した為)、左は階段と花畑がある坂です。

 二層構造なのは"テラス席"ではないかと。レジカウンター前の奥行きから察するに、テラス席の下あたりがレストランのレジカウンターや厨房があるのではないかと思います。

 こちらは"敷地の有効活用"という理由もあると思われます。ザンビーニと坂の裏側はホテルミラコスタになっていて全くもって敷地が無くレストランが作れません。登り坂・二層構造にすることでゲストは上を、レストランへの搬入通路は下に設けられます。それとこの辺りはメディテレーニアンハーバーを眺める"イタリア・トスカーナ地方の丘"というテーマもあり、トスカーナ地方といえば丘の上に都市があるオルヴィエートなどがありますので、そういったテーマ作りのために坂になっているという考えもあると思います。



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 さて、ザンビーニの裏手では、「ソアリン:ファンタスティック・フライト」というアトラクションが、2019年7月23日のオープンを控えて建設が進んでいます。

 ソアリンの建物のテーマは「メディテレーニアンハーバーが見渡せる、丘の上の博物館」です。


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 こちらの断面図はあくまで個人的に予想し作成したものです。建築の様子を映した一般の方の動画やアトラクションの公式動画を参考にしましたので、詳細はそちらをご覧ください。

 まず、ドーム内が実物より広く感じたので、上下階と合わせて吹き抜けになっているものと予想しました。

 流れとしては……アトラクションには二階から入り、博物館前の庭を通り、掘割になっている一階に降り、そしてプレショーのドームに入る。それでこのドームがミソで(あくまでも予想です)、表から見える範囲のドームはフェイクで、実際の内部はかなり"広く見せる造り"になり、表から見えるドームの付け根の建物の部分が、内部でいうとドームの部分になっているんじゃないかなと。絵にするとこんな感じです。


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 ディズニー設計の基本として"強制遠近法"が採用されており、視点から上または遠くにあるものを小さく作り手前のものを大きく作ることで、コンパクトに作りつつも建築をダイナミックに見せて印象づける……というものです。これに当てはめると、青い屋根は小さく、ドーム建屋の付け根は大きくすることでアトラクションの入り口であることをゲストに印象づけられますが、そうすると内部(特にドームの天井部分)も狭くなってしまうので、上下階の二層構造にすることで高さや広さを確保したのではないのかなと推測しました。

 そしてソアリン は、建屋が異常に"高い"のも印象的。これはシーだけではなく海外のソアリンもです。恐らく"ドリームフライヤー"という名前の乗り物が宙に浮く構造だからかと。一階から乗るのが濃厚かもしれません。いまだはっきりしないのが出口。おそらく青いドームの右手が下り坂で一階(海と同じ高さ)と近くなるので、右手に出るのかも。

 キャストおよびハンディキャップを持つゲスト専用の通路がどのアトラクションにも設けられています。以前ツイッターでは白い壁の向こうに一階と二階を結ぶスロープがあるのではないか……と予想ツイートしましたが、これは無くて、ドームの右手に集約され、出口通路がその役目になるのかなと思います。

 限られた敷地を活用するため、バックヤードを削ったり、アトラクションを二層構造にして敷地を捻出しているわけですが、それを感じさせない作りになっているのはさすがだなぁと思いますね。

 ソアリン 、乗れる日が楽しみです!



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◆終わり

 さて!今回は"二層構造"について語りました。コースターのコースの都合や敷地の有効活用という理由により、巧みに設計され入り組んでいるのが、ディズニー設計マニアにはたまらんわけです。あくまで自分の見解や想像なので正しいかは分かりませんけどね……。未だにどういう構造になっているんだろう?という場所は多々あります。今後そういうものを研究していけたらなと思いますね。

 あくまでも"予想"むしろ"妄想"なのでご容赦くださいね。

 以上、夢と魔法の設計学でした。ご意見ご感想もしありましたらツイッターのほうで。不定期更新ですのでまたいつか。お付き合い頂きありがとうございました!

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